キラキラの後ろの儚さ
2019年2月28日
その人に会ったのは2回目だった。
『すごく静かですね』彼はそう言った。
それを言われ私はますます何も話せなくなった。
ある人が言った。
『何考えているのかよく理解できない』
それを言われ私は『わたし』がわからなくなった。
彼らが望む人とかけ離れたところにいる自分をいつも冷静に見つめていた。反省点はたくさん出て、解決策も知っているのに、彼らと対面すると私は硬直した。言葉が口から出て行かない。話したい”これ”っていう話題はあるのに、文を作れない。
先生は『自分を大切にしてください』と言った。
表情豊かな人、乏しい人
会話力の強い人、弱い人
語彙力の有無、引き出しの多少、あるいは惹きつける見た目
全てが欠けている自分を、どうやって愛せというのか。
自信がなさすぎるよ、頑張りなよ、大丈夫だよ
そういう言葉ばかりをかけられて、誰も本当の解決策を教えてくれないし、その分責められることが増え、イライラした表情に変わっていく。
そして誰とも会話をすることなく過ごし、たどり着いたのは
対自分だけのノートとペン、パソコン、このスペースだった。
家でも学校でも、自分とだけ向き合う時間が、本当に楽だった。
自分は自分をわかっているから、慰めも激励もいらないし、自分を止められるのも自分だけだと知った。気が付いたときには友人はいなくなっていた。
いろんなことに興味を向けるようにし、無理やり興味をもち、会話の内容に困らないように。少しは彼らと話せるようになったけど、私には何1つとして青春がなかったと思う。
自分だけでは青春は過ごせない。
自分だけでどうにかしないといけないことが世の中のほとんどなのに、
ひどく輝く瞬間や、儚い瞬間、そういうものは一人を受け付けてくれないのだ。
一人で与えられるのはただの苦痛だ。
私の中をさっと突き抜けて去っていった青春。
今、キラキラした人を見かけると、やたらと僻んでしまうようなそんな弱い私は、きっとこれからも変われないのかもしれない。
青春は輝いていた日々のことだというが、必ずいつかは終わる儚いものだ。
それを経験しなかった私には、これから先どんな気持ちが手に入るのだろうぁ。
これから先もこの苦痛を手放せずにいくのか。寝る前に怖くなるよ。
shin